福沢諭吉・夏目漱石達が泊まった文豪愛用ゆかりの温泉旅館10選

文豪ゆかりの温泉宿

文豪とは、圧倒的な文学の才能で当時から現代までさまざまな人々を魅了してきた作家のことです。そんな文豪たちの多くが、実は温泉宿を愛していたことをご存知でしょうか。
彼らの作品内には、たびたび温泉地が登場します。彼らの中には、名作と言われる作品たちを自宅ではなく温泉宿にこもって書き上げた、という方も少なくありません。
今回は、そんな文豪たちにゆかりのある温泉宿についてご紹介します。温泉好きの方はもちろん、文学好きの方も必見です。

文豪とは?いつ頃の作家なの?

「文豪」という言葉を耳にしたことがあっても、具体的にはどんな人を指すのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
文豪という言葉に明確な基準は設けられていませんが、近代文学の中で大きな影響力を持った小説家を指すことが多いです。没後50年ほど経つ作家が多く、死後もなお現在までその作品が親しまれています。そのため、例えば近代よりさらに昔の時代の作家については文豪には当てはまらず、また現代も活躍している現役の作家は含まれません。
原稿用紙
具体的な人物名を挙げると、尾崎紅葉や寺田露伴あたりの人物から始まり、様々なスタンスの作家が現れていきました。明治時代に活躍した文豪では、「自然主義」と言われた島崎藤村や「反自然主義」の高踏派であった森鴎外、余裕派と言われた夏目漱石などが有名です。さらに大正時代に入ると芥川龍之介や、昭和の戦前・戦後には川端康成太宰治などが多くの人に愛されてきました。戦後デビューの作家は現代文学として捉えられているため、文豪と称されるのは三島由紀夫くらいです。
 

滞在時の建物や部屋をそのまま残した温泉宿も!

老舗旅館
上記で述べたとおり、文豪は主に明治から大正、昭和の初期ごろまでに活躍した作家のことを指します。文豪たちは作品を生み出す上で、どんな場所で書き上げるのかを大変重視していました。趣のある風景や雰囲気、非日常感あふれる空間があったからこそ、名作と呼ばれる小説たちが生まれてきたと言っても過言ではないでしょう。
そんな彼らが100年ほど前に執筆活動をしていた旅館のいくつかが、現在もなお残っています。中には当時の部屋や棟をそのままにした場所や、ゆかりのある文豪にまつわる資料などを置いているところもあります。文学ファンにとってはたまらない場所であるため、ぜひ訪れてみることをおすすめします。
 

文学作品に詳しくない方にもおすすめ

温泉
文豪ゆかりの温泉地と聞くと、文学作品をあまり読んだことない方は関係ないと思われるかもしれません。ですが、普段文学作品に親しみがないという方にもぜひ訪れていただきたい場所です。
文豪たちが愛した場所は、趣がある場所や素晴らしい景観などで普段の日常とは違った雰囲気に浸ることができます。作品を読んだ事がある、ないに関わらず、その雰囲気や空気感の素晴らしさは、日頃の疲れを癒してくれるはずです。
活字が苦手という方でも、その場所に訪れてみることで作品の世界観に触れるきっかけともなるでしょう。これを機に作品に触れてみても良いかもしれませんね。
 

文豪ゆかりの温泉宿10選

ここからは、文豪たちが愛した温泉宿で今も残っている場所をご紹介していきます。ゆかり話やおすすめポイントについても触れていますので、旅行先を探しているという方はぜひ参考にしてみてください。

1.福沢諭吉

福沢諭吉
福澤諭吉 – Wikipedia

箱根塔ノ沢温泉(神奈川県)

ゆかり話

福住楼はたくさんの文豪が訪れ愛した場所として知られています。特に福沢諭吉はこの場所を愛し、お気に入りの部屋を指定して逗留していたほどです。貴重な数奇屋づくりの建物は登録有形文化財にも指定されており、レトロな空気感を堪能できます。

温泉地の特徴

神奈川県の箱根にある温泉地で、都心から1時間程度というアクセスの良い場所にありながら自然に囲まれた場所です。温泉はどなたでも入りやすいアルカリ性単純泉で、アトピーや湿疹、疲労回復などに効能を持ちます。

おすすめポイント

大きな松の幹を組み合わせて作られた大丸風呂や、岩風呂、家族風呂などいろいろな風呂が用意されています。24時間いつでも入浴可能で、自身のタイミングやスケジュールに合わせて温泉を堪能できます。
 

2.夏目漱石

夏目漱石
夏目漱石 – Wikipedia

修善寺温泉(静岡県)

ゆかり話

数々の名作を生み出してきた夏目漱石は、明治43年に胃潰瘍にかかり入院をしてしまったそうです。退院後に療養の場所として選んだのがこの菊屋で、弟子と一緒に逗留していました。旅館には残された漱石の資料が館内に展示されていたり、ラウンジには「漱石の庵」という名前もつけられています。

温泉地の特徴

修善寺温泉は、温泉で有名な伊豆半島の中でも最も歴史のある温泉とて日本百名湯にも選ばれています。温泉の泉質はアルカリ性単純泉です。温泉街としても栄えており、修善川の河岸に温泉宿や飲食店が多数立ち並んだ場所です。こちらの宿では「湯回廊」という温浴施設で温泉が楽しめます。

おすすめポイント

貸切風呂もあるため、誰にも邪魔されずゆっくり温泉に浸かりたいといった方におすすめです。離れの客室もあります。
 

3.宮沢賢治

宮沢賢治
宮沢賢治 – Wikipedia

花巻南温泉峡(岩手県)

ゆかり話

宮沢賢治はこの花巻温泉郷、大沢温泉に惹かれ通っていました。宮沢賢治は理想郷を意味する「イーハトーブ」という造語を作りましたが、それはこの岩手県大沢温泉のあたりをモチーフとしていると言われています。なんと幼少期からたびたび訪れていたそうで、若かりし頃には悪ふざけで水車を止めてしまった、という面白い話も残っています。

温泉地の特徴

東北有数の温泉地で、アルカリ単純泉のお湯は内海や運動機能障害、冷え性に効能を持ちます。自炊部湯治屋には名物の混浴大露天風呂があり、そのほか様々な温泉との湯巡りもできます。

おすすめポイント

湯治を目的に滞在できる温泉療養の施設です。宮沢賢治が愛したこの土地は、素晴らしい景色が堪能できる場所でもあります。四季ごとに移り変わる自然を楽しめます。
 

4.森鴎外

森鴎外
森鴎外 – Wikipedia

信州高山温泉郷(長野県)

ゆかり話

森鴎外は明治23年に藤井荘に1週間滞在したそうで、紀行文「みちの記」を新聞に掲載しました。宿から見える松川渓谷の素晴らしさに魅了された鴎外は、藤井荘の土地を譲って欲しいとわざわざ頼んだほどです。

温泉地の特徴

高原の山々に囲まれた温泉で、開湯から200年以上も歴史があります。ナトリウム・カルシウムー塩化物泉の温泉は、身体のさまざまな痛みを和らげてくれます。

おすすめポイント

渓谷を眺められる客室で、広々としており特別な時間を過ごせます。客室のタイプがいくつかあるので、家族やグループなどいろいろなニーズに対応しています。
 

5.川端康成

川端康成
川端康成 – Wikipedia

天城湯ヶ島温泉(静岡県)

ゆかり話

川端康成の初期からの代表作と言われる、「伊豆の踊り子」が執筆された宿です。滞在期間は年半にもわたり、当時宿泊した部屋が残っています。その部屋は宿泊客を受け付けていないため、当時のそのままの形を見学することができます。


伊豆の踊子像

温泉地の特徴

狩野川沿いにある温泉を100%源泉掛け流しで使用しています。貸切露天風呂もあり、せせらぎを聴きながらゆっくりと温泉を堪能できます。

おすすめポイント

初夏にはホタル、秋には紅葉が見られることもあります。鮑など、伊豆ならではの海の幸も堪能できます。
 

6.正岡子規

正岡子規
正岡子規 – Wikipedia

作並温泉(宮城県)

ゆかり話

木造で出来た八十八段の階段を降りていくと、天然岩風呂があります。そこからは広瀬川の眺めを堪能でき、まさに絶景と言えます。正岡子規はこの絶景に感動したあまり、「夏山を廊下づたひの温泉(温泉)かな」をいう句を読んでいます。またその様子を旅行記「はて知らずの記」に載せています。

温泉地の特徴

自然湧出の天然温泉を、掛け流しで堪能できます。4つの天然岩風呂は混浴ですが、女性専用時間も設けられています。低張性弱アルカリ性泉とカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉の泉質で、アトピーなどの皮膚疾患や傷を癒してくれます。

おすすめポイント

天然岩風呂のほかに、女性専用の半露天風呂や大浴場も用意されています。食事も美味しいとクチコミ評価が高い宿です。
 

7.志賀直哉

志賀直哉
志賀直哉 – Wikipedia

城崎温泉(兵庫県)

ゆかり話

志賀直哉はこの三木屋に滞在し、名作短編の「城の崎にて」を執筆しました。そのころの志賀直哉は怪我をしており、療養に来たこの温泉で静かな時を過ごしながらこの作品を生み出しています。宿にはライブラリーラウンジが設けられており、志賀直哉をはじめとする作家の名作が多数用意されています。

温泉地の特徴

コウノトリが傷を癒していた温泉は、開湯から1400年もの歴史を誇る伝統的な名湯です。神経痛、筋肉痛などを癒してくれるお湯で、老若男女に愛されている温泉です。

おすすめポイント

城崎温泉は外湯めぐりが楽しめる場所でもあります。浴衣姿で温泉街を探索することもできます。
 

8.島崎藤村

島崎藤村
島崎藤村 – Wikipedia

湯河原温泉(神奈川県)

ゆかり話

詩や随筆、小説と幅広い文学活動をしてきた島崎藤村は、昭和の初め頃に「夜明け前」という作品を執筆しました。その際に、健康を維持するために滞在したのがこの伊藤屋でした。当時の宿帳や献立もいまだに残されており、ロビーに展示されています。

温泉地の特徴

はるか昔に活動を終えた湯河原火山の浸食カルデラ内に湧出する温泉で、皮膚病や身体の痛みによく効きます。大浴場のほか貸切半露天風呂や貸切専用露天風呂があり、プライベートな時間が過ごせるため夫婦やカップルにも人気です。

おすすめポイント

建物は国登録有形文化財としても選ばれています、中庭からは桜や新緑、紅葉など四季折々の風情を感じられます。
 

9.太宰治

太宰治
太宰治 – Wikipedia

西伊豆三津浜・湯の花温泉(静岡県)

ゆかり話

太宰治は昭和22年の2月から約1ヶ月の間、この旅館に滞在し「斜陽」の第一章、第二章を執筆しました。当時の間取りはそのまま残されており、宿泊可能なのでファンにはたまらない宿です。部屋からは雄大な富士山と海を眺めることができます。

温泉地の特徴

お子様からお年寄りまで安心して入浴できる、単純アルカリ泉の温泉です。疲れて強張った身体を癒してくれるため、リフレッシュしたい方や仕事で疲れた時に訪れてもいいでしょう。貸切風呂や露天風呂付き客室もあります。

おすすめポイント

駿河湾からの海の幸を使った会席料理が食べられます。温泉は日帰り利用もできるため、気軽に訪れることができます。
 

10.芥川龍之介

芥川龍之介
芥川龍之介 – Wikipedia

修善寺温泉(静岡県)

ゆかり話

新井旅館には多くの文豪や画人、梨園からの客も訪れています。芥川龍之介もそのうちの1人で、この旅館に長期滞在していました。実は芥川龍之介は大の風呂嫌いだったそうですが、ここの温泉に入りまるで水族館みたいだと喜んだほどの温泉です。

温泉地の特徴

無力透明かつ無味無臭の温泉なので、幅広い方が入浴できます。そのため子連れのファミリー客などにもおすすめできます。痛みや冷え性に効能を持ち、また別名「美肌の湯」としても知られています。入浴後は肌がしっとりと温まるのを感じられるでしょう。

おすすめポイント

館内には広い池や渡り橋、茶室などがあり趣を感じられます。海の幸・山の際どちらも堪能できる会席料理は、ボリューム・味ともに一級品です。

 

文豪の愛した温泉宿で安らぎの時間を過ごそう

文豪が愛し、数々の名作を生み出して来た温泉宿にはたくさんの魅力があります。都会の喧騒から離れた静かな空間や目に前に広がる素晴らしい絶景は、ファンならずとも感動すること間違いなしでしょう。日頃の疲れを癒したり、大切な人と特別な時間を過ごしたり・・・ぜひ次の旅行先を検討されている方は、文豪が愛した温泉宿をチェックしてみてください。

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