山形県尾花沢市に位置する銀山温泉(ぎんざんおんせん)は、大正ロマン漂うレトロな街並みと、美しい自然が織りなす絶景が魅力の温泉地です。
江戸時代に発見されたこの温泉は、かつて鉱山町として栄えた歴史を持ち、現在では風情ある温泉宿や共同浴場が軒を連ね、四季折々の風景とともに観光客を魅了しています。
特に雪景色に包まれる冬の銀山温泉は格別で、ノスタルジックな景観が写真映えするとして人気を集めています。温泉街からは気軽に楽しめる散策コースも整備されており、ゆったりと癒される、静かなひとときを過ごせる観光地です。
この記事では、そんな銀山温泉の歴史やおすすめモデルコースを解説します。アクセス情報や訪れる際の注意点など、観光に役立つ情報もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
銀山温泉の歴史

銀山温泉の名前の由来となったのは、江戸時代初期に発見された「延沢銀山(のべさわぎんざん)」です。
この銀山はかつて日本有数の産出量を誇り、最盛期には多くの鉱夫や職人が集まる鉱山町としてにぎわいました。そこで鉱山で働く人々の疲れを癒やすために利用されたのが、現在の銀山温泉の起源とされています。
その後、銀の採掘量が減少し鉱山自体は閉山してしまいました。しかし温泉地としての価値は失われず、山間部の秘湯として人気を集め、特に江戸時代〜明治時代にかけては湯治場として大きく盛り上がりを見せます。
大正時代に入ってすぐの頃、温泉街は大規模な洪水に見舞われ低迷期を迎えましたが、昭和初期にボーリングが行われ、湯量が復活したことで再び活気を取り戻します。
さらに昭和60年には「銀山温泉家並保存条例」が制定され、歴史的景観を守る取り組みが本格化。大正ロマンを感じさせる木造旅館群と美しい街並みが、人気を集める理由となっています。
また1983年放送のNHK連続テレビ小説『おしん』のロケ地として注目を集めたことで、全国的にその名が知られるようになりました。こうした歴史と文化が融合した銀山温泉は、今なお多くの観光客を惹きつける、山形県を代表する温泉地となっています。
銀山温泉観光のおすすめモデルコース
せっかく銀山温泉を訪れるなら、温泉街の情緒ある街並みはもちろん、周辺に点在する観光スポットもあわせて楽しみたいところです。
ここでは、はじめての銀山温泉旅行でも満足できる、おすすめのモデルコースをご紹介します。
能登屋旅館

能登屋旅館は銀山温泉の象徴ともいえる老舗旅館で、明治25年創業の歴史を誇ります。川沿いに建つ3階建ての木造建築は、大正ロマンの趣を色濃く残しており、国の登録有形文化財にも指定されています。
温泉街の中心に位置するその風格ある佇まいは、昼夜問わず多くの観光客の目を引き、フォトスポットとしても人気です。宿泊者はもちろん、そうでない方にとっても訪れてみる価値があるでしょう。
館内には源泉かけ流しの内湯や露天風呂があり、歴史情緒に浸りながら心も身体も癒されるひとときを楽しめます。さらに山形の旬を活かした会席料理や、温かみのある接客にも定評があります。
部屋数は全15室なので、早めの予約がおすすめです。
住所:山形県尾花沢市銀山新畑446
しろがね湯

しろがね湯は、銀山温泉街の中心部に位置する共同浴場で、観光客や地元の人々に親しまれている日帰り温泉施設です。
天然温泉で、泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。体の芯から温まり、疲労回復や冷え性の改善にも効果が期待できるとされています。
何よりリーズナブルなのが魅力で、大人は500円、小学生以下なら200円で楽しむことができます(※現金のみ)。お手頃なお値段ですが源泉掛け流しであり、しっかりと泉質がよく、観光の合間の癒しにぴったりです。
営業時間は9時〜16時で、最終受付は15時半となっています。水曜定休日となるため、事前にスケジュールを確認してから訪れることをおすすめします。
住所:山形県尾花沢市銀山新畑433
銀山温泉散策コース

銀山温泉の最大の魅力は、やはり大正ロマンを感じさせる街並みの中を歩いて楽しむ「散策」です。温泉街からは散歩ルートが整備されており、白銀公園や白銀の滝、さらにかつての鉱山跡である銀坑道へと続くルートをウォーキング感覚で楽しむことができます。
代表的な散策ルートは次の3つ。旅行の予定や体力にあわせて、お好みのコースを選んでみましょう。
※冬時期は坑道方面への入山不可
- 滝見コース(約0.8km・20分程度)
温泉街→せことい橋→こうもり穴→白銀の滝→温泉街 - 銀鉱洞直行コース(約1.4km・60分程度)
温泉街→滝の不動尊→せことい橋→河鹿橋→夏しらず坑→銀坑洞→儀賀市郎左衛門の像→温泉街 - ゆったり散策コース(約1.9km・90分程度)
温泉街→滝の不動尊→せことい橋→河鹿橋→夏しらず坑→銀坑洞→儀賀市郎左衛門の像→山の神神社→銀山温泉街
住所:山形県尾花沢市銀山新畑
白銀公園・白銀の滝

温泉街からほど近く、散策ルートの中にもある「白銀公園」は、自然の静けさに包まれながら四季の美しさを感じられる癒しのスポットです。特に白銀の滝は、高さ約22メートルの落差を誇る名所となっています。
滝壺の近くまで歩いていけるため、身近に迫力を感じたい人にもぴったり。春には新緑、夏には納涼、秋には紅葉と、シーズンごとに異なる楽しみ方があります。
住所:山形県尾花沢市銀山新畑443
芭蕉・清風歴史資料館
芭蕉清風歴史資料館✨花笠マラソン大会で入場券いただいたので訪れてみた〜 pic.twitter.com/4RiQXOmSDG
— も (@monko115) May 3, 2025
「芭蕉・清風歴史資料館」は、俳聖・松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅の途中に銀山温泉を訪れたと伝えられることに由来する歴史施設です。館内には、江戸時代に栄えた延沢銀山に関する貴重な鉱山資料や、当時の暮らしぶりを再現した模型・展示などがあり、銀山温泉のルーツや文化を深く学ぶことができます。
また、芭蕉が詠んだ俳句や、銀山を愛した文人たちの作品および資料も展示されており、文学と歴史の両面からこの地の魅力に触れられるのが大きな魅力です。さらに施設自体は、旧丸屋・鈴木弥兵衛家の店舗および母屋を移転・復元した木造建築で、趣のある佇まいが温泉街の雰囲気とよく調和しています。
ここでは常設展のほか、時期によっては講演会やギャラリートークなどの催しも行われています。知的好奇心を刺激してくれるスポットとしておすすめできます。
基本情報- 名称:芭蕉・清風歴史資料館
- 住所:山形県尾花沢市中町5-36
- 営業時間:9:00~16:30(11月~2月は9:30~16:30)
- 休館日:毎週水曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日~1月4日)、展示替え時
- 料金:
- 大人:210円(団体120円)
- 学生:100円(団体60円)
- 中学生以下:無料
- バリアフリー:ほじょ犬同伴可・車いす対応トイレあり
- アクセス:
- 大石田駅よりバス(尾花沢行き)「中町」下車 徒歩3分
- 山形~新庄間バス「横町」下車 徒歩1分
- 駐車場:あり
- 電話番号:0237-22-0104
- 大人:210円(団体120円)
- 学生:100円(団体60円)
- 中学生以下:無料
- 大石田駅よりバス(尾花沢行き)「中町」下車 徒歩3分
- 山形~新庄間バス「横町」下車 徒歩1分
花笠高原スキー場(冬限定)
花笠高原スキー場(山形県尾花沢市)のナイター、軽い雪がどんどん積もってきて気持ち良かった〜😁 pic.twitter.com/p8QhZwNcWA
— Zunn (@zunnzn) December 30, 2020
銀山温泉から車で30〜40分ほどの場所にある花笠高原スキー場は、冬の観光にぴったりのレジャースポット。
標高約800メートルに位置し、パウダースノーと雄大な自然に囲まれたゲレンデでは、初心者から上級者まで楽しめる多彩なコースが用意されています。リフト料金が比較的リーズナブルなため、気軽にウィンタースポーツを楽しみたい旅行者にも人気があります。
また、ファミリー向けのそり遊びエリアやキッズパークも整備されており、子ども連れの方にもおすすめ。さらにはナイタースキーも楽しめるようになっていて、幅広い層に人気があります。
開催時期は例年12月下旬ごろ〜3月末ごろとなっています。冬の銀山温泉エリアに訪れた際には、ぜひチェックしてみましょう。
住所:山形県尾花沢市鶴子858
銀山温泉までのアクセス情報

車利用の場合
銀山温泉は尾花沢ICより、車でおよそ30分の場所にあります。
東京・仙台・岩手方面からそれぞれのアクセス方法は以下のとおりです。
- 東京から:東北道・山形道〜山形JCT〜東北中央道〜尾花沢IC〜銀山温泉
- 仙台から:国道48号〜東根〜国道13号〜尾花沢IC〜銀山温泉
- 岩手県・宮城県北部方面から:古川〜国道347号〜尾花沢IC〜銀山温泉
なお村山市から続く県道29号線(背あぶり峠)は、非常に狭い山路となっているため、通行しないようにしましょう。
また国道347号は冬期間になると通行止めになることがあります。
電車・バス利用の場合
電車やバスを利用する場合、東京および仙台からのアクセスは以下のとおりです。
- 東京から:山形新幹線「大石田駅」下車(約3時間20分)→路線バス・銀山線(約40分)
- 仙台から:特急バス・新庄行「尾花沢待合所」下車(約2時間)→路線バス・銀山線(約35分)
銀山温泉に行く場合の注意点

銀山温泉を訪れる前に知っておきたい注意点がいくつかあります。
まず、冬季の積雪・路面凍結には十分な備えが必要な点です。12月〜3月ごろまでは豪雪地帯となるため、防寒着や滑りにくい靴で行くようにしましょう。車で行く場合は冬用タイヤやチェーンの装備が欠かせません。
また冬場は立ち入り禁止の場所もあるので、訪問予定の施設がある方は、事前に問い合わせておきましょう。
さらに、温泉街の中心部は道幅が非常に狭く、一般車両は進入できない区間もあります。そのため、車で訪れる方は温泉街手前の駐車場を利用し、徒歩での移動を基本とするのがおすすめです。
また銀山温泉街にはコンビニやATMが少なく、キャッシュレス非対応の施設も多いので注意が必要です。できれば現金に余裕を持っておくようにしましょう。
そして人気の宿は特に週末や雪景色シーズンに予約が集中するため、早めの予約も重要なポイントになります。
まとめ
銀山温泉は、大正ロマン漂う街並みと美しい自然が調和する、山形県屈指の観光名所です。かつて鉱山町として栄えた歴史を背景に、今では風情ある温泉宿や共同浴場、そして散策コースなど、多彩な魅力を持つ温泉地として多くの人々を惹きつけています。
特に冬の雪景色は圧巻で、街全体がまるで映画のワンシーンのような幻想的な世界に包まれます。ゆったりと温泉に浸かりながら、四季折々の風景や歴史ある街並みを楽しむ時間は、日常を忘れさせてくれるひとときとなるでしょう。
アクセスや注意点をしっかり押さえれば、初めての方でも安心して旅を楽しめます。この記事を参考に、ぜひ銀山温泉で癒しと感動に満ちた旅を満喫してみてください。

























