北海道・札幌の奥座敷とも呼ばれている定山渓温泉(じょうざんけいおんせん)。
ここは四季折々の自然美と豊かな湯量に恵まれた、道内屈指の人気温泉地として知られています。深い渓谷と清流に囲まれたロケーションは、春の新緑や秋の紅葉、冬の雪景色まで、季節ごとにまったく異なる表情を見せてくれるのが魅力です。
また温泉だけでなく、夜の森を彩るライトアップイベントや、足湯・手湯を楽しめる源泉公園、個性豊かな“かっぱ像”を巡る散策など、観光としての見どころも満載。心も身体も癒されるスポットとして、多くの北海道エリア旅行者に愛されています。
本記事では、定山渓温泉の歴史や観光スポット、モデルコースとしておすすめの過ごし方、アクセス情報や旅前に知っておきたい注意点までを、わかりやすくまとめてご紹介します。
定山渓温泉の歴史

定山渓温泉の始まりは1866年(慶応2年)にさかのぼります。開湯の祖とされるのは、当時の修験僧であった美泉定山(みいずみじょうざん)です。
美泉定山は、アイヌの人々にこの地に湧き出る温泉の存在を教えられ、その効能に感銘を受けました。そして自ら湯小屋を建て、湯治場として整備したのが定山渓温泉の起源とされています。
その後も定山は多くの人々が温泉を利用できるよう努力を重ね、地域の人々とも協力しながら温泉街の基盤を築いていきました。さらにそこから明治時代に入ると道路整備が進み、札幌との交通の便が良くなったことで、観光地としての人気がより高まっていくことになります。
そして現在では、札幌中心部から車で約1時間というアクセスの良さもあり、年間を通して多くの観光客が訪れる北海道を代表する温泉地となりました。
豊かな自然に囲まれた癒しの湯として、開湯から150年以上を迎えた今もなお、多くの人々に親しまれています。
定山渓温泉観光のおすすめモデルコース
定山渓温泉は、温泉だけでなく自然やアートを楽しめる観光スポットが点在してます。季節に合わせて、宿泊観光の際にぴったりのモデルコースが組めます。
ここでは、特に人気のある見どころやイベントを紹介します。
定山源泉公園

定山源泉公園は、美泉定山にちなんで名付けられた定山渓温泉のシンボル的な存在。開祖・美泉定山の生誕200年を記念して設立されました。
温泉の源泉が湧き出る場所に整備されたこの公園では、無料で楽しめる足湯が用意されており、観光の途中に気軽に立ち寄ってほっと一息つける憩いの場となっています。
園内には定山の銅像や、かっぱのモニュメント、湯けむりが立ち上る石組みの噴出口など、歴史や温泉文化に触れられる演出が施されています。周辺にはベンチも設置されていて、散策しながら学びと癒しを同時に体験できます。
また公園内には「おんたまの湯」があり、温泉たまごを作る湯つぼも用意されています。80℃を超える源泉で温泉たまごを作る体験ができます。生たまごは、「定山渓物産館」で購入ができます。
住所:北海道札幌市南区定山渓温泉東3丁目
メルヘンかっぱ像

定山渓温泉といえば、実は“かっぱ”の伝説が有名です。温泉街のあちこちには、伝説由来のかっぱをモチーフにしたユニークな像やマスコットが点在しています。
その中でも特に人気なのが「メルヘンかっぱ像」です。まるで童話の世界から飛び出してきたような愛らしい表情が特徴で、ゆるキャラのような魅力を放ちます。
20箇所以上に点在するメルヘンかっぱ像は、見かけたら思わず写真を撮りたくなります。散策しながらどこにあるかを探してみるのも面白いでしょう。
特に小さなお子さま連れのファミリーにはちょっとした冒険気分を味わえるアクティビティにもなるのでおすすめです。
住所:北海道札幌市南区定山渓温泉
二見吊橋

二見吊橋は、定山渓温泉街を流れる豊平川にかかる全長約30メートルの赤い吊り橋です。定山渓のシンボル的存在であり、観光パンフレットなどでも頻繁に登場する絶景スポットとして知られています。
橋の上からは渓谷美と川のせせらぎを間近に感じられます。特に紅葉や雪景色の時期は感動的な美しさに包まれます。写真映えするスポットとして、秋冬を中心に多くの観光客で賑わいます。
橋の両端には遊歩道が整備されており、定山源泉公園や二見公園といった周辺の観光名所と一緒に巡ることができます。新緑、紅葉、雪化粧と、季節ごとに異なる表情を見せてくれるのも魅力のひとつと言えるでしょう。
定山渓エリアの宿からも徒歩圏内にあるので、チェックイン前後の散策コースとしてもぴったりです。
住所:北海道札幌市南区定山渓温泉西4丁目
幌見峠

幌見峠(ほろみとうげ)は札幌市街と定山渓温泉の中間地点に位置する絶景スポットです。標高約300メートルの場所にある展望駐車場からは、札幌の市街地を一望できます。
昼間は石狩湾まで見渡せるほどの広大な景観が広がり、夜になると眼下に広がる街の光がきらめく、ロマンチックな夜景スポットとしても人気を集めています。中でも夜景は日本夜景遺産や新日本三大夜景にも選ばれるほどで、ここを目的に観光に訪れる方も多くいるほどです。
さらに注目されているのが、夏に見ごろを迎える「幌見峠ラベンダー園」です。例年7月中旬から8月上旬にかけて開園するこのラベンダー園では、一面に咲き誇るラベンダーとその奥に広がる札幌の街並みが織りなす風景を楽しめます。
絵はがきのような美しさと香りに包まれながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
なお幌見峠へは定山渓温泉から車で約30分、札幌中心部からは20分ほどでアクセス可能です。定山渓温泉に車で訪れる予定の方は、途中で足を運んでみるのもおすすめです。
住所:北海道札幌市中央区円山西町
定山渓温泉の季節限定イベント
定山渓温泉渓流鯉のぼり(春限定)

渓流鯉のぼりは例年4月?5月に開催されるイベントで、定山渓温泉の春の風物詩として知られます。2025年は4月10日?5月11日のスケジュールにて開催されました。なお2025年には39年目を迎えています。
イベントは温泉街中心部をはじめ、定山源泉公園、二見公園といった様々なエリアにわたって実施されます。ここでは鯉のぼりをモチーフにした大型の布製アートが渓流の上を泳ぐように展示されます。
およそ400匹の鯉のぼりが温泉街上空に漂う景色は、迫力満点。風を受けて舞う鯉たちの姿と、背景に広がる春紅葉(はるもみじ)のコントラストが、まるで絵画のような美しい景色を演出します。
このイベントは地元住民たち支えられており、地域全体が一体となって作り上げる温かみを感じられる点も魅力です。鯉のぼりは道内で募集された、家庭での思い出が詰まったものが使われているとのこと。
タイミングが合えば、桜や新緑といった季節の移ろいとともに楽しむことができ、春旅にぴったりのスポットとなっています。観光の合間に立ち寄れば、思わず写真を撮りたくなるような風景が広がっています。
住所:北海道札幌市南区定山渓温泉
雪灯路(ゆきとうろ)(冬限定)

雪灯路は、毎年1月下旬~2月上旬ごろに開催される冬のインスタレーションイベントです。2025年は1月25日?2月1日のスケジュールにて開催されました。
開催場所は定山渓神社周辺で、雪でできた灯篭の中にはキャンドルが灯され、夜の定山渓があたたかな光に包まれます。キャンドルの数はなんと1000個近くになり、まさに圧巻。そしてその奥には北海道ならではの雪景色とデジタルの融合世界が広がります。
この期間中は、夕方?夜のライトアップの時間に合わせて多くの観光客が足を運び、写真を撮る人やカップル、家族連れで賑わいます。
さらにイベント期間中には、2日間限定でキャンプ場が設営されることも。ここでは薪割り体験や焚き火、テントサウナなど、寒冷地でのキャンプを気軽に楽しめるのも魅力です。
なお雪灯路イベントへの参加は協力金として高校生以上500円が必要ですが、定山渓エリアの旅館に宿泊している場合は招待券で無料入場できる場合もあります。この時期に定山渓温泉に訪れた方はチャンスなので、ぜひ参加してみましょう。
住所:北海道札幌市南区定山渓温泉東3丁目(定山渓神社)
定山渓ネイチャールミナリエ(夏~秋限定)
\連休はお近くのNAKEDイベントへ??/
【北海道・東北エリア】
定山渓ネイチャールミナリエ支笏洞爺国立公園、その雄大な定山渓の自然と共創するライティングパフォーマンスをNAKEDがプロデュース。「WATER LIGHT VALLEY」をテーマに森や川、渓谷が持つ美しさに加え、自然に秘められた生命観を演出 pic.twitter.com/6IvVXQAyGD
? NAKED, INC. (ネイキッド) (@NAKED_STAFF) July 21, 2021
雪灯路が冬のイベントであるのに対し、定山渓ネイチャールミナリエは、夏から秋にかけて開催される夜のアートイベントとなっています。2025年は6月1日?10月31日のスケジュールで長く開催されています。
開催場所は二見公園~二見吊橋にかけてのエリア。イベントでは定山渓二見公園の木々や遊歩道が、プロジェクションマッピングやライトアップで彩られ、まるで別世界に迷い込んだかのような体験ができます。
プロデュースは気鋭のクリエイティブ集団として知られるNAKED、さらに2025年には、オープンしてまもない足湯「二見の足湯」も会場にプラスされ、イベントのスケールがアップしています。
ちなみにこのイベントは、定山渓エリア宿泊者専用のプレミアムイベントとして実施されます。宿泊施設から配られる入場券を使って参加できるので、訪れる機会があればぜひ参加してみましょう。
浴衣姿で参加するのもおすすめです。
住所:北海道札幌市南区定山渓温泉西4丁目359
定山渓温泉までのアクセス情報
新千歳空港〜札幌駅経由のルート
定山渓温泉はまず札幌駅まで電車でアクセスし、そこからバスのルートがおすすめです。
- 新千歳空港 → JR「快速エアポート」乗車(約40分)
- 札幌駅下車 → じょうてつバス「かっぱライナー号」乗車(約60分)
かっぱライナー号は直行バスなので、迷わず便利です。またタクシー利用も可能です。
新駒内駅経由のルート
札幌駅経由のほか、新駒内駅経由でもアクセスが可能です。
- 新千歳空港 → 北斗交通バス乗車(約70分)
- 新駒内駅下車 → じょうてつバス乗車(約47分)
北海道各地から車でのアクセス
北海道の各エリアから車でアクセスする場合のルートは以下のとおりです。
- 小樽から:国道5号線〜朝里川温泉入口交差点〜道道1号(約60分)
- 函館から:国道5号線〜大沼公園IC〜虻田洞爺湖IC〜国道230号線(約210分)
- 苫小牧から:支笏湖通り〜国道276号線〜国道453号線〜国道230号線(約90分)
- 支笏湖から:国道453号線〜国道230号線(約55分)
- 洞爺湖温泉から:道道2号洞爺湖温泉〜国道230号線(約80分)
- 登別温泉から:道道350号線〜道道2号線〜登別東IC〜北広島IC〜羊ヶ丘通〜国道230号線(約110分)
- ニセコから:道道66号線〜真狩村〜道道97号線〜喜茂別町〜国道230号線(約70分)
冬季は道路の凍結や積雪があるため注意しましょう。スタッドレスタイヤなど事前準備をしておくと安心です。
定山渓温泉に行く場合の注意点

定山渓温泉は札幌市内から気軽にアクセスできる立地が魅力ですが、冬季は雪となり、道路が凍結することが多いので注意が必要です。車で向かう場合はスタッドレスタイヤやチェーンの準備が必須となるでしょう。
慣れない雪道運転に不安がある場合は、直行バスなど公共交通機関を利用するのがおすすめです。
また、紅葉シーズンや冬のイベント開催時期は観光客が集中するため、宿泊施設は早めに予約をしておくと安心です。イベントの中には宿泊施設限定のものや、宿泊施設利用者優遇のものがあるので事前に確かめておきましょう。
また日帰り入浴を希望する場合も、施設によって営業時間や利用条件が異なるため、事前に公式サイトなどで確認しておきましょう。季節によって営業時間が異なるようなケースもあります。
さらに温泉街は坂道や階段が多く、冬は滑りやすくなることもあるため、歩きやすい靴と防寒対策は必須です。北海道エリアに訪れたことのない方は、特に天気予報などで気温を確かめ、防寒グッズを用意しておくのを忘れないようにしてください。
定山渓温泉で“住み込みバイト”という選択肢も
観光で訪れるだけでなく、「この風景の中でしばらく暮らしてみたい」と感じたことはありませんか?
実は定山渓温泉を含む北海道エリアでは、住み込みで働けるリゾートバイトが数多く募集されています。温泉旅館やホテル、観光施設などで働きながら、空いた時間で温泉や自然を満喫できるのが魅力です。
短期から参加できる案件も多く、「旅行気分で働く」「次の転職までのつなぎに」など、自由なスタイルで挑戦できます。
▶️ 北海道の住み込みリゾートバイト特集|体験談・ニセコ・トマムなどの人気エリアも紹介
また、派遣会社によっては「前払い制度」があり、急な出費や引越し費用などにも対応できます。
なかでも利用者の多い「ヒューマニック」の前払い制度については、以下のページで詳しく解説しています。
▶️ ヒューマニックの前払い制度とは?仕組みや注意点を徹底ガイド
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まとめ
定山渓温泉は札幌からほど近い場所にありながら、四季折々の自然と歴史ある湯に癒されることができる北海道屈指の温泉地です。美泉定山が開湯してから150年以上、多くの人々に親しまれ続けてきたこの地には、心も身体も解きほぐす力があります。
温泉はもちろん、春の「渓流鯉のぼり」や冬の「雪灯路」、夏から秋の「ネイチャールミナリエ」など、季節ごとのイベントも盛りだくさん。足湯やかっぱ像めぐりといった散策スポットも充実しており、満足度の高い旅がきっと叶います。
ぜひ、次の北海道旅には“札幌の奥座敷”とも呼ばれる定山渓温泉を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと思い出に残る、特別な時間を過ごせるはずです。

































