「由布院といえば、金鱗湖の幻想的な朝霧!」
ガイドブックの決まり文句を信じて旅行の計画を立てているなら、少しだけお待ちください。
実は今、期待に胸を膨らませて金鱗湖を訪れたものの、その現実に「がっかりしてしまった…」と肩を落とす旅人が後を絶たないのをご存知でしょうか。
湖というより「池」のようなサイズ感、温泉が流れ込むため冬でも熱帯魚が泳ぐ異様な光景、そしてインバウンドの喧騒…。綺麗に加工された写真と、現実とのギャップに戸惑う口コミが溢れています。
では、由布院の魅力は嘘だったのか? いいえ、違います。
由布院の本当の姿は、作られた絶景スポットではなく「街の歴史と情熱」のなかに隠されています。
普通の馬車とは決定的な違いを持つ「観光辻馬車」の蹄の音。21年間石畳を歩き続けた名馬・ゆきちゃんが繋いだ命のバトン。そして、喧騒のすぐ隣にある磯崎新設計「由布院駅アートホール」の圧倒的な静寂。
この記事では、金鱗湖ががっかりと言われる本当の理由をリアルな口コミから徹底検証! さらに、ありきたりな観光サイトでは絶対に分からない、辻馬車とアートホールで巡る「由布院の真の魅力」を忖度ゼロでお届けします。
湯布院の象徴「金鱗湖」はなぜがっかりと言われるのか?

湯布院観光のハイライトとして必ず紹介される「金鱗湖(きんりんこ)」。しかし、実際に足を運んだ人たちの口コミを見ると、「がっかりした」「想像と違った」という辛口な意見が目立ちます。なぜ、これほどまでに評価が分かれるのでしょうか。
絶景の裏側!リアルな口コミから紐解く金鱗湖「がっかり」の正体
ガイドブックの美しい写真だけを見て行くと、思わぬ落とし穴にハマります。ここでは、旅行者のリアルな声から判明した「3つのがっかりポイント」を忖度なしで検証します。
【口コミ検証①】湖を期待すると痛い目を見る?「池」という現実
「金鱗湖」という立派な名前に広大なスケールを想像していくと、到着して数秒で「えっ、これだけ?」と絶句することになります。
実際に旅行者の口コミサイトを調査してみると、以下のような辛口な声が多数寄せられていました。
- 湖のスケールを期待して足を運んだものの、あまりの小ささに拍子抜けしてしまった。(参考:トリップアドバイザー)
- これは湖というより、完全に「池」のサイズ。しかも外国人を中心とした団体客でごった返していて風情がない。(参考:フォートラベル)
- とにかく規模が小さい。周囲から聞こえてくるのは外国語ばかりで、想像していた温泉地とは違った。(参考:東京Days)
実際の外周は約400メートルしかなく、ゆっくり歩いても20分ほどで一周できてしまうサイズ感です。
過度な期待は捨てて、湖ではなく「ちょっと大きめの池」だと思って行くのが、現地での精神的ダメージを防ぐ最初の防衛線と言えます。
【口コミ検証②】温泉が招いた悲劇?冬でも泳ぐ外来魚(ティラピア)のサウナ状態

金鱗湖の最大の特徴は、湧水と温泉の両方が流れ込んでいること。そのため水温が年間を通して高く、冬場でも凍結しません。
しかし、この「ぬるま湯」状態が思わぬ悲劇を招いています。なんと、本来日本にはいないはずの外来魚(ティラピアなどの熱帯魚)が大量繁殖しているのです。
実際の口コミや地元の動向を調べてみると、単なる景観の問題では済まない驚きの事実が浮かび上がってきました。
- 風情ある湖を期待していたのに、外来魚のティラピアが我が物顔で巣を作っていて驚いた。(参考:じゃらん)
- 日本の温泉地である由布院に、見慣れない色合いの熱帯魚が泳いでいて激しい違和感を覚えた。(参考:旅行ブログ等)
- 人気番組「鉄腕DASH」の『グリル厄介』でも話題になったが、地元でもティラピアの異常繁殖と駆除は深刻な課題。地元の別府大学が駆除の一環として「ティラピアのブイヤベースや押し寿司」などの料理開発に乗り出す事態にまで発展している。(参考:別府大学公式Facebook)
日本の原風景を求めて水面を覗き込むと、そこには中南米のような魚がウジャウジャ泳いでいる始末。まさに外来魚たちの巨大な天然サウナと化しています。
「情緒がない」「生態系がバグっている」とがっかりする前に、この「大学が料理開発するほどヤバいティラピア問題」をあらかじめ知っておくのが、ある意味で金鱗湖を楽しむ裏ワザと言えるでしょう。
【口コミ検証③】インバウンドの喧騒と「お化け屋敷」と呼ばれる建物の真実

静かで情緒あふれる温泉地…という由布院のイメージは、日中の金鱗湖周辺では通用しません。綺麗に切り取られたSNSの写真とは裏腹に、現地を訪れた人たちからは景観や雰囲気に対する強烈な違和感が報告されています。
フィルターを外した現実はかなり生々しいものです。
「静かな日本の原風景」を期待して行くと、まるで竹下通りのような大混雑と、廃屋や無国籍な露店が入り乱れるカオスな景観に完全に肩透かしを食らいます。綺麗にパッケージングされたイメージと、現地でのリアルな現実とのギャップが、金鱗湖最大のがっかりポイントと言えるでしょう。
がっかりを回避!金鱗湖の本当の楽しみ方と周辺グルメ
ここまで散々な現実をお伝えしましたが、決して「行く価値がない」わけではありません。時間帯と目的さえ間違えなければ、金鱗湖は間違いなく由布院を代表する美しいスポットです。ここからは、がっかりを感動に変える「本当の楽しみ方」を解説します。
朝霧の絶景を狙うならこの時間!

金鱗湖が真のポテンシャルを発揮するのは、「秋から冬にかけての早朝」のみです。
冷え込んだ朝、温泉が混ざった温かい湖面から立ち上る「朝霧(あさぎり)」は、まさに幻想的の一言。団体客を乗せた大型バスが到着する前の、朝7時〜8時台が勝負です。この時間帯ならインバウンドの喧騒もなく、凛とした冷たい空気の中で、本物の絶景と静寂を独り占めできます。
喧騒を逃れる湖畔のカフェと、食の多様性(Food Diversity)を楽しむ裏ルート
昼間の混雑を避けたいなら、アクセスルートの工夫と「食」にフォーカスするのが正解です。
由布院駅からメインストリートの「湯の坪街道」を通ると大渋滞に巻き込まれます。人混みを避けるなら、一本南側を通る大分川沿いの遊歩道から金鱗湖へアクセスする裏ルートが圧倒的におすすめです。
湖畔にはこだわりの地元食材を使ったレストランやカフェが点在しています。最近では、世界中からの旅行者や様々な食の価値観を持つ人たちに向けた、食の多様性(フードダイバーシティ)に対応したメニューを提供するお店も増えてきました。
美しい景色を眺めながら、多種多様な食文化に触れる。そんな「美味しい食」を目的とした散策スポットとして割り切れば、金鱗湖周辺は非常に満足度の高いエリアへと変わります。
- 住所:大分県由布市湯布院町川上1561-1
- 入場料:無料(散策自由)
- アクセス(車):大分自動車道「湯布院IC」から車で約10分
- アクセス(電車):JR「由布院駅」から徒歩約25分(※混雑回避のため大分川沿いのルート推奨)
口コミで紐解く!湯布院の「辻馬車」と普通の「馬車」の決定的な違い

「観光地によくある、ただの馬車でしょ?」
もしあなたがそう思っているなら、まずは言葉のルーツから紐解く必要があります。
そもそも「馬車」とは馬が引く車全般を指しますが、「辻馬車(つじばしゃ)」には明確な意味の違いがあります。それは「辻(交差点や人が集まる街角)で待機し、客を乗せる馬車」のこと。つまり、現代でいう「タクシー(辻待ちの馬車)」を意味する言葉なのです。
由布院の辻馬車も、街の最大の「辻」である由布院駅前で、毎日旅人を待ち構えています。しかし、単なる移動手段としてのタクシーや、他の観光地を走るエンタメ馬車と決定的に違うのは、その馬車が背負っている「歴史と地元の人々の執念」です。
単なる観光用ではない?1975年の大地震から生まれた「辻馬車」の歴史
由布院の辻馬車は、単なる客寄せのエンターテインメントとして作られたものではありません。
そのルーツは、1975年に起きた「大分県中部地震」にまで遡ります。深刻な風評被害によって観光客が激減し、致命的な打撃を受けた由布院。その絶望的な状況から街を復活させるべく、地元の人たちが立ち上がって生み出した起死回生のアイデアが「観光辻馬車」や「映画祭」「牛食い絶叫祭り」でした。
パカパカと軽快に鳴る馬の蹄の音は、「由布院は元気ですよ!馬車と共存できる安心な街ですよ!」と全国へ発信するための、地元民の執念と祈りのリズムだったのです。この歴史を知るだけでも、辻馬車からの景色がまったく違って見えてくるはずです。
湯布院・辻馬車のリアルな口コミと予約の極意
由布院の魂とも言える辻馬車ですが、その人気ゆえに乗車するには少しばかりの「気合い」と「戦略」が必要です。
ネット予約不可!朝イチの争奪戦を勝ち抜く方法
現代の観光アクティビティとしては珍しく、辻馬車は「ネット予約や事前予約が一切不可」となっています。
実際の口コミを見ても分かる通り、予約は開催当日の朝、由布院駅前にある「由布市ツーリストインフォメーションセンター」での窓口受付、もしくは電話受付のみ(現地窓口が優先)というストロングスタイルです。
「どうしても乗りたい!」という方は、予約開始時間の30分前にはセンター前にスタンバイするのが鉄則です。油断して行くとすでに長蛇の列ができていることも珍しくありません。また、天候や馬の体調によっては急遽中止になることもあるため、旅行の予定を組む際は事前の確認電話を忘れないようにしましょう。
デートや推し活で失敗しないための必勝プラン
この「当日朝イチ勝負」というハードルの高さは、逆に言えば計画性の見せ所でもあります。
例えば、恋人とのデートや、お気に入りのぬいぐるみ・アクリルスタンドと一緒に写真を撮る「推し活」の旅行プランに辻馬車を組み込むなら、朝のチケット争奪戦を済ませた後、乗車時間まで駅前の手湯・足湯を楽しんだり、湯の坪街道で食べ歩きをするという「無駄のないエモい動線」を組むのが必勝法です。
非日常感あふれる馬車の上で、由布院の自然を背景に撮る写真は、他では絶対に味わえない特別な思い出(最高のSNS映え)になること間違いありません。
ありがとう、ゆきちゃん。伝説の看板馬の引退と新しい命

辻馬車を語る上で絶対に外せないのが、馬車を引いてくれる大きくて優しい馬たちの存在です。
21年間、由布院の石畳を歩き続けたペルシュロン「ゆきちゃん」
2024年、長きにわたって由布院の顔として愛された一頭の馬が引退しました。
体重約800キロ、北海道生まれの重種「ペルシュロン」のゆきちゃんです。穏やかで優しい瞳をしたゆきちゃんは、なんと2歳から21年間もの長い間、毎日毎日、由布院の街並みを歩き続けてくれました。
引退間近の時期でも、すれ違う地元の人々が笑顔で手を振る光景が見られ、ゆきちゃんがいかに由布院の街に愛され、共に生きてきたかが分かります。
ベルギーから空を飛んでやってきた!新しい馬たちが繋ぐ辻馬車の未来
ゆきちゃんが残した偉大な足跡は、しっかりと新しい世代へと引き継がれています。
新しくやってきたのは、なんと飛行機に乗って海を渡ってきた「ベルシャンホース(ベルギー重種)」。母国ベルギーでは林業やエビの引き網漁で活躍していたという力持ちです。
実は辻馬車の世界は非常に国際的で、馬車本体はポーランドから、ハーネスはカナダからと、世界中から最高のものを取り寄せて運行されています。
ゆきちゃんからバトンを受け取った新しい馬たちと、熱い思いを語る御者さん。由布院の歴史を乗せた辻馬車は、今日も力強い蹄の音を響かせながら、新しい未来へと歩みを進めています。
喧騒を離れて静寂へ。磯崎新が手掛けた「由布院駅アートホール」

金鱗湖周辺のインバウンドの喧騒から逃れ、「本来の由布院」の静けさを取り戻したいなら、駅へ戻りましょう。
実は由布院観光において、最も見落とされがちでありながら、最も美しく洗練された場所……それが世界的建築家・磯崎新(いそざき あらた)氏が設計した「由布院駅アートホール」です。
由布院駅アートホールの魅力!公式サイトには書かれない「高さ12メートルの虚無」
一般的な日本の駅を想像していくと、その異質な空間に度肝を抜かれます。
由布院駅には、無粋な自動改札機も、けばけばしい広告看板もありません。駅舎に入ってまず旅人を包み込むのは、高さ12メートルの吹き抜け構造がもたらす「圧倒的な虚無(余白)」です。
公式サイトや観光パンフレットには「温かみのある木造駅舎」としか書かれていませんが、真の見どころはその「空間の使い方」にあります。上部に設けられた窓から自然光が静かに降り注ぐ、まるでヨーロッパの礼拝堂のような設計。観光地の駅によくある「ごちゃごちゃしたお土産屋」を一切排除し、ただ静かに列車を待つための贅沢な空間がそこには広がっています。
ただの待合室ではない、芸術が宿る由布院の「魂」
この広大な待合室は、名前の通り「アートホール」として機能しており、約1ヶ月ごとに様々な芸術作品が展示される生きたギャラリーになっています。
ただの「地元の愛好家の作品展」と侮ってはいけません。時には日本最大級の公募展である国展(国画会)に出品されるような、プロの芸術家や名だたる作家の展示が行われることもあり、まさに由布院の文化レベルの高さを象徴する場所となっています。
作られた「レトロ風」の薄っぺらい観光施設ではなく、以前訪れた兵庫県出石の「永楽館(築100年越えの芝居小屋)」にも通じるような、「本物の文化と歴史が呼吸している空気」がここにはあります。
金鱗湖で現実を知り、辻馬車で歴史の蹄の音を聴き、最後にこのアートホールの静寂の中で芸術に触れる。これこそが、情報弱者向けのまとめサイトには絶対に書かれていない、大人の由布院の裏ルートなのです。
- 住所:大分県由布市湯布院町川北8-2(JR由布院駅構内)
- TEL:0977-84-4678
- 入場時間:9:00~18:00(※展示の入れ替え日などは変更の可能性あり)
- 公式SNS:由布院駅アートホール公式Instagram
まとめ:由布院は「作られた絶景」より「裏の歴史」を歩け
ガイドブックやSNSの「映え」だけを信じて由布院を訪れると、金鱗湖の現実や押し寄せるインバウンドの喧騒に、思わず「がっかり…」と肩を落としてしまうかもしれません。
金鱗湖で現実を知り、辻馬車とアートホールで真の由布院に触れる旅へ
しかし、由布院の本当の魅力は、そんな表面的な観光地化のメッキが剥がれた「裏側」にこそ隠されています。
- 金鱗湖:過度な期待は禁物。巨大な外来魚が泳ぐ「温泉の池」という現実を面白がりつつ、朝霧の絶景や食の多様性を楽しむ。
- 観光辻馬車:1975年の地震から街を救った執念の蹄の音。普通の馬車との決定的な違いと、ゆきちゃん達が繋いできた歴史を体感する。
- 由布院駅アートホール:インバウンドの喧騒から離れ、高さ12mの圧倒的な静寂と、国展クラスの本物の芸術に触れる。
「作られた絶景」をただ消費するだけの旅行は、もう終わりにしませんか?
本当の旅の面白さは、街が抱える矛盾(外来魚のサウナ状態)を笑い飛ばし、そこに生きる人々と動物たちの情熱(辻馬車)に胸を熱くし、静かな空間(アートホール)で自分と向き合う瞬間にあります。
ありきたりなまとめサイトの「おすすめスポット10選」はそっと閉じて、ぜひあなた自身の足で、由布院の「裏の歴史」を歩いてみてください。





















